ストックフォトサービスを使う危うさ

ストックフォトサービスを使う危うさ

今やWEBサイト制作や、広告制作に欠かすことが出来ない写真やイラストの素材ダウンロードサービス。ストックフォトサービスと呼ばれている。最近、有料・無料問わず規定に沿って正規にダウンロードして使用した素材が、実は権利者に無断でアップロードされている画像であったという案件が複数報道されている。デザイン制作者はこれらストックフォトサービスを信用して、画像やイラストなどの素材を使用しているわけだが、今この信用が揺らいでいる。下手をすれば、広告主などに対して大きな損害を与える可能性が高いからだ。

正規に購入した画像が、違法アップロードされたものだった

大手Shutterstockから購入した画像をCDのジャケット・デザインに使用したら、その画像が権利者に無断でアップロードされたものだということが発覚した。CD制作者が謝罪し、CDは回収された。

スナップマートから購入した画像をアフィリエイターが広告に使用したら、その画像が権利者に無断でアップロードされたものだった。

どちらも使用した画像が、権利者に無断でストックフォト業者のサービスにアップロードされたものだったということだ。購入者は正規に購入しストックフォト業者の規約には違反していない。
(後に後者に関しては、画像を購入した制作者が、スナップマートの画像使用規定に違反している可能性があるとのことが発覚した。https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2210/18/news154.html

安価に、気軽に使うことのできるストックフォトサービス

WEBや紙の広告制作をする場合、予算が潤沢であれば専門のカメラマンを使い撮影を行う。しかし予算の限られた中小企業の広告制作を行う場合は、ストックフォトサービスを利用することは多い。この場合、広告制作者はストックフォト業者から正規に購入した素材を1つ1つ精査するだろうか。せいぜいGoogle画像検索などにかけてチェックするくらいだろう。
これでは精査したとは到底言えない。

広告展開中に権利侵害が発覚した場合はどうなるのか

たとえば広告制作をする場合を考えてみる。
ある企業が新規サービス告知キャンペーンを行うため、数千万円の広告費を掛け、チラシ、ポスター、WEB広告の制作ををデザイン会社に依頼した。デザイン会社は広告に使用する素材を、ストックフォト業者から正規に購入した。念の為Google画像検索に掛けてチェックした画像を使用し、問題ないと判断した。
キャンペーンが始まった。
しかしキャンペーン初日、SNSに出した広告を見た人から抗議が届いた。
「この写真、私が先月撮影してSNSにアップしたものですが、無断で使用されては困ります。」。
作者の許可なく使用された写真を掲載したチラシ、ポスター、WEB広告はすべて即日回収、削除された。キャンペーンを行った会社は、一連の広告を依頼したデザイン会社に損害賠償を求める。
当然だろう。しかしデザイン会社は正規に購入したものなのだから、当然権利関係はクリアしている前提で使用している。そこでデザイン会社は素材を購入したストックフォト業者に全額の損害賠償を求める。果たしてストックフォト業者はどこまで補償してくれるのだろうか。

Shutterstockの利用規約

当サイトの使用にかかるリスクは、お客様に負担していただきます。
(Shutterstock 10.保証と免責事項)

お客様は、当サイトの利用または利用不能、ウェブサイト利用規約、規約に定める表明、保証の違反または違反の疑い、Shutterstockコンテンツの不正使用、その他権利の侵害などに起因または関連して生じた申し立て、損害、訴訟費用、債務および経費(相当の弁護士料を含むがこれに限定されない)について、Shutterstock、その子会社、関連会社、ライセンサー、従業員、代理人、サードパーティ情報プロバイダー、寄稿者、独立の請負業者を防御、補償、免責することに同意します。
(Shutterstock 11.補償)

https://www.shutterstock.com/terms#anchor_infringement

英語版の翻訳だからなのか、要領を得ないが補償はしないということだろう。

スナップマートの利用規約

6. 上記に関わらず、いずれの場合も、当社の責任の総額は、当該素材に関し、当該会員と当社との間で支払われた料金を超えないものとします。

(第17条 Snapmartの免責事項)

https://snapmart.jp/agreement

いずれの場合も購入した代金以上の補償はされないようだ。私の解釈が間違えていなければ、損失分はすべて画像を購入し使用したデザイン制作会社が支払うことになる。
または時間を掛けて元の画像を違法アップロードした者を訴えるかだ。

このままでは安心してストックフォトサービスを利用できなくなる

今回明らかになった件は、たまたま発覚しただけで、実は頻繁に起こっているような気がする。もちろんこれは有料サービスだけでなく、無料サービスでも同じだ。自分で作成したWEBサイトだけで使用しているのであれば、抗議があった時点で、簡単に画像を取り下げることができて被害も広がらない。しかしキャンペーンなどの広告制作の場合は大きな損害が予想される。

これからストックフォトサービスを利用する場合、ストックフォトサービス業者が自社で契約したカメラマンが撮影した写真、イラストレーターが描いたイラストだけを扱っているのであれば安心して使用できる。しかし著作権のチェックが甘い、ストックフォトサービス業者を利用する場合は注意が必要だ。すべての責任はストックフォトサービスを使った、デザイナーなどの制作者にかかってくるのだから。

写真で稼ごう ~ストックフォトサービス ピクスタが教える写真をお金にかえる方法~
写真の撮り方を覚えたら 写真をお金にかえてみよう! 自分の写真をWEBにアップするだけ。 いま話題のストックフォトサービス「PIXTA(ピクスタ)」ならば写真をお金にかえられます。この本は、いわば「売れる写真の『撮り方手帖』」です。 写真の撮り方はもちろん、撮った写真をお金にかえるまでの流れを分かりやすく解説。また、ど...
タイトルとURLをコピーしました