デザイナーと要件定義の関係

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デザイナーと要件定義

デザイナーはスタイリッシュで格好いいデザインさえしていればいいという時代は終わった。特にWEBサイト制作においては、効果を正確に測ることができるようになったことで、乱暴に言えば効果が出ないWEBデザインは良くないと言える。デザイナーもマーケティング知識を身に着け、要件定義に参加する必要性が大きくなってきた。

先日「要件定義を理解してくれないクライアント」の記事を読んだ。とても分かりやすくまとめられている。デザイナー向けの記事ではないが、デザイナー側よりも、むしろ発注するクライアント側の人に特に読んで欲しい記事だ。そしてデザイン制作というものの、そのプロセスを理解してもらえればと思う。

Webサイト構築で「デザインを先に見せて!」、要件定義を理解してくれないクライアントにはどう対応すべき? | Web担お悩み相談室
Webデザイナーからのお悩みは「要件定義よりも先にデザインを求める顧客」について。クライアント案件に生かせる交渉術のワークも紹介。【Web担お悩み相談室】

デザイナーがどのような規模の、どのような業種の案件を請けているか、またその企業またはその中の担当者にどれほどのITリテラシーがあるのか、それによって要件定義の必要性をわかっているか否かが大きく異なってくる。今回は私のようなフリーランスのデザイナーが関わる場合に生じる「デザインを先に見せて!」案件について書いてみたい。

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要件定義を必要とする現場

WEBサイト構築、アプリ開発の大まかなフロー
要件定義とデザインの関係

私が関わる案件は大体以下の規模に分かれる。

1)大手企業のWEBサイト構築案件またはアプリ開発案件
関わる人は細かく専門化・分業化され、サイト構築フェーズに限っても、ディレクター、バックエンド・エンジニア、フロントエンド・エンジニア(コーダー、マークアップエンジニア)、プログラマー、UIデザイナーなど多数になる。
2)中小企業のWEBサイト構築案件またはアプリ開発案件
ディレクター✕1人、エンジニア兼プログラマー✕2~3人、デザイナー兼コーダー✕1人というのが一般的である。
3)中小企業のWEBサイト構築案件
プログラムは必要ないのでディレクター、デザイナーとコーダーを一人で兼務することが多い。

私のようなフリーランスデザイナーが実際に関わるのは、以上の青線部分であり、規模が小さくなるほど一人の役割も増える。
上の記事で書かれているのは、1)2)の規模のことだろう。

1)2)の場合、要件定義フェーズはすでに完了しており、その上で私に依頼が来る。
WEBサイト構築の場合はクライアントとディレクター間で交わされる。
アプリ開発の場合は、クライアントとディレクター、プログラマーの間で交わされる。どちらもデザイナーが出る幕はない。それはデザイナーというものは意匠(見た目)を担当する者であって、機能部分をデザインする者ではないという古い認識からだ。しかしUI/UXデザインという言葉が出始めてから大分経つが、大手企業では機能部分のデザインという認識は広まっていると感じる。しかし中小企業ではまだまだ認識は低い。

アプリ開発では、プログラマーが必ず関わってくるので、小さな企業の小さな案件でも必ず要件定義はある。実際私がデザインを依頼される場合も、まず渡されるのが要件定義書だ(PowerPointで作成されている率高し)。そこにはアプリ内のあるボタンをタップした場合、どのようなアクションが起きるか、その後どの画面に遷移するかがフローチャートで描かれている。本当は要件定義中、できればその前の企画段階でデザイナーも参加させて欲しいと思う案件がほとんどなのだが、その話は今回の話とずれてくるので省略。

問題はWEBサイト構築案件で、マーケティング視点がなく、当然ターゲットなど決めていないことが多い。そうなると要件定義って必要なの?何なの?という話になる。そういうことから先の記事のように「デザインを先に見せて!」になるわけだが、実はもう一つ予算の問題がある。
中小企業の社長でも丁寧に話をすれば要件定義の必要性を理解してくれる。売上に直結するとなればそれこそ身を乗り出す勢いだ。しかし「それでいくら掛かるの?」という話になり「コストが掛かるのなら今は必要ない」になってしまう。中小企業のWEBサイト構築で50万円、内訳は要件定義に10万円と言うと即座に却下され、その分安くしろとなる(各金額は適当)。ただでさえコストを抑えたいのに効果が分からないものに10万円は出せないだろう。その気持は分かる。効果を出せば良いのだろうが、開設後効果測定をして継続的にレポートを出すだけでもコストが掛かるので嫌がる。小さな企業、個人企業の案件でも本当はデザイナーとして、きちんと要件定義をしてWEBサイトを構築して「問い合わせが増えた!」という言葉が欲しい。しかし現実はそうではないのだ。いくら見た目が良いWEBサイトを構築しても、問い合わせがないのならそれは失敗だろう。逆に見た目が悪くても、問い合わせが多いサイトは成功だ。

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これからはデザイナーも要件定義に関わる必要がある

今やWEBサイトやアプリのデザイナー、またチラシやパンフレットを作るDTPデザイナーでも専門的とは言わないまでもマーケティング視点、SEO知識は必須だ。しかしクライアントだけではなく、見た目が良ければマーケティングなんか関係ないと考えているデザイナーが多いのも事実。私がいつもしくこく言っている、コーディングが出来ないWEBデザイナーなど最たるものだろう。作ってクライアントの反応が良ければそれでOK。自分が関わる関わらないに限らず、運営後の事はまったく考えていない。これからはそれではダメ。

要件定義は当然必要。それは目的に合い、より売上に効果的なデザイン制作をするために。クライアント側が必要性を理解してくれることを望むのはもちろん、制作側のデザイナーも理解する必要がある。

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