打合せ
2020年8月に「サブカルチャーの心理学」の装丁を担当し、約2年半後その続編である「サブカルチャーの心理学2」の装丁を担当した。
前回は「サブカルカルチャー全盛の80~90年代のテイストで」という依頼の下、「そのまま」のデザインをしたら案の定「デザインが古い」という指摘があり修正したものであったが、それでも私自身「まだ古いかも」という印象を制作後も持っていた。しかし著者が「斜に構えていて良い」と気に入ってくれたと編集者から聴き2年半越しに安心した。そして第2弾の今回もその「斜に構えた」デザインをとの注文があった。
- 前回のデザインを踏襲した案
- 「斜に構えた」デザイン案
- 前回とはまったく異なるデザイン案
の3案を制作することに決まった。
カバーには書名と著者名、そして章タイトルを配置する。
サムネイル
今回は編集者から3案の提案があるため、アイデアも絞りやすい。いつも通り思いついたアイデアを描いてゆく。
ラフデザイン
- 前回のデザインを踏襲した案
- 「斜に構える」→「腕を組む」から線画を背景に薄く敷いた案
- 章タイトルを斜体に変形しそれを縦に複製しさらに回転させる。書名や著者名もそれに合わせて変形させた案
いずれもラフ案なので決定し次第修正や変更をする。
本文大扉
印刷順にまずは本文を印刷所へ入稿できるように大扉を制作する。スミ1色で、カバーにある章タイトルは必要ないので省き、全体を少し縮小しレイアウトの調整を行う。
本体
本文印刷の次は製本工程なので、入稿する順番としては本体表紙を制作する。スミ1色で、大扉同様章タイトルを省略したレイアウトに変更する。
カバー
前回踏襲案に決定した。ラフデザインの段階でほぼ完成しているので、背と表4の制作をする。シリーズではないのだが「3」もあるかもと言われたので、「1」と「2」を並べた時になるべく違和感がないようにデザインする。それでも著者名や章タイトルの違いなどで完全には揃わなかったが。タイトル部分のグラデーションはIllsutratorのグラデーション機能を使用したものではなく、背景にオリジナルの複雑なグラデーション画像を使用し抜いている。その色味を変更した。加工はグロスPP加工とした。これも前回と同じ。
今回は帯はないので、カバー・デザインを印刷入稿して作業完了。
見本誌到着
特に問題もなく想定通りの本が到着。毎回安心する瞬間だ。