装幀のプロが語る – 上製本と並製本の違いとデザイン実績

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上製本(ハードカバー)の装幀

「進化精神病理学 心理学と精神医学の統合的アプローチ」の装幀(装丁)を担当した。
今まで多くの装幀を手掛けてきたが、今回の依頼は上製本(ハードカバー)の装幀である。上製本と言えば高額な書籍であり、その堅固さから専門書や長く手元に置いておくような本である。通常行っている並製本(ソフトカバー)とは、デザイン作業が少し異なるので、そのポイントを説明しながら同時に実績紹介をしてみたい。

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「進化精神病理学 心理学と精神医学の統合的アプローチ」の装幀

編集者と打ち合わせをする。書籍の仕様は以下のようなものである。

  • 上製本(ハードカバー)
  • 制作物:カバー、本体表紙、本文大扉
  • サイズ:本文 182×257mm、 本体表紙 187×263mm
  • 医学系の専門書

上製本なので、本体表紙と本文のサイズが異なる。また本体表紙は上記サイズの他に内側に巻き込む部分が必要なので、天地左右に15mm大きく作成する。上製本の装幀をする上で、通常の並製本(ソフトカバー)の作成と大きく異る点だ。また上製本独特の花ぎれスピン(しおり)見返しも必要になる。  

本文と本体表紙のサイズ差
本体表紙を15mm折り込む
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サムネイル作成

サムネイル

いつも通り、既刊の同ジャンルの書籍を中心に調査をしながら思いついたまま手描きでサムネイルを作成する。打ち合わせ時にPDFでゲラをもらっていたので、それを読み大まかな内容をつかむ。精神病理学研究の書であり専門書。そうかと言ってあまり堅くなく適度に柔らかさを感じさせるようなデザインを考える。

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ラフデザイン案制作

ラフデザイン

単純な幾何学模様で構成した案、過去に自作した背景画像を元に混沌とした印象を与える全体的に堅めの案、日本語タイトルと原書タイトルを十字に交差させタイトルの背景に新しい理論的枠組みを表す7色のグラデーションを敷いた案。これらのデザインをプリントアウトして壁に貼る。しばらくこのままで、他の作業をしている間に見ながらアイデアを練る。以上3案を制作し提出。

本文大扉制作

本文大扉

一番堅めの案に決まり、大扉もカバーデザインを踏襲したデザインを1色で作成する。

本体表紙デザイン制作

本体表紙

並製本とは異なり、天地左右各15mm余計に作る。1色なのでDIC184(明る目の紺色)を指定。花ぎり、見返し、しおりの指定もこの時に行う。

  • 見返し:X-73(渋紫)
  • 花ぎれ:A63(渋紫)
  • スピン(しおり):A5(明るい茶)
花ぎれと見返し
スピン(しおり)
スピン(しおり)。今回指定はしたがスピンは採用しなかった(参考画像)

カバーデザイン制作

カバーデザイン

グラデーションの位置を少し修正して、カバー表1は完成。表4は地のグラデーションだけでも良かったが、表1のデザインを再レイアウトしたデザインを施した。

以上ですべての作業が終り出版社へデータ送信。その後色校で若干色を補正して再入稿して終り。表面加工はマットPPに指定。

見本誌が届く

カバー-表1
カバー-表1

やはり上製本は堅固な印象が強い。手にとって思った。カバーデザインは青→桃のグラデーションで少し柔らかい印象。スピンは入校後必要なくなったので今回はなし。

カバー-表4
カバー-表4
本体表紙-表1
本体表紙-表1
本体表紙-表4
本体表紙-表4
本文大扉
本文大扉
本文レイアウト
弊社のデザイン、組版ではないが、一応本文も参考に
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