書籍の装丁「Power Appsではじめるローコード開発入門」

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書籍装丁イメージ画面

【制作実績】の新規紹介。
Microsoft社のPower Appsを利用した、今話題沸騰中の「ローコード、ノーコード」での業務アプリ開発入門書の装丁を担当した。昨年辺りから、非プログラマーの人が、業務用アプリの開発が出来る「ローコード、ノーコード」がニュースでも採り上げられる機会が多くなったが、まだ類書は少ないのが現状。

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見本誌が到着

まずは、届いた見本誌を見ながら、印刷状態とデザインをチェック。

PowerAppsではじめるローコード開発入門 PowerFX対応 オビ付きカバー 表1
オビ付きカバー 表1
PowerAppsではじめるローコード開発入門 PowerFX対応 オビ付きカバー 表4
オビ付きカバー 表4
PowerAppsではじめるローコード開発入門 PowerFX対応 カバー 表1
カバー 表1
PowerAppsではじめるローコード開発入門 PowerFX対応 カバー 表4
カバー 表4
PowerAppsではじめるローコード開発入門 PowerFX対応 本体表紙 表1
本体表紙 表1

特色版は、もちろんカラーチップを見て指定しているわけだが、色が想定した通りに出ているか、文字との調和が取れているか、軽視される部分だが、実は気になる。

PowerAppsではじめるローコード開発入門 PowerFX対応 本体表紙 表4
本体表紙 表4
PowerAppsではじめるローコード開発入門 PowerFX対応 大扉
大扉

私が担当したのは、装丁一式なのでここまで。

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制作工程:1 アイデア出し、サムネール

今回特に出版社や著者から、デザインの指定はなかった。入門書なので、専門書ではあるが、入門者が手に取りやすいように、なるべく柔らかく、気軽な感じを出そうと考えた。そしてPower AppsやPower FXについて調べる。
その上で、まだあまりないが、類書を参考にしながら、サムネールを描いてゆく。

サムネール
サムネールの一部

思いつくアイデアをとにかくどんどん描いてゆく。サムネールだけでなく、アイデアは文字としても起こしてゆく。
この段階では編集者には見せていない。

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制作工程:2 ラフデザイン(線画)

今回、サムネールからラフデザインを起こすにあたり、色を付けずになるべくラフな状態で、編集者と著者にデザイン案を提出してみた。WEBデザインで言えば、ワイヤーフレームの状態だ。

線画の状態のラフデザイン案 3案
線画状態のラフデザイン案

「ローコード、ノーコード」と対義的な「プログラミング言語」を並べ、陳腐化している状態。気楽な入門イメージを出すためのポップな文字組み。「ローコード、ノーコード開発」のイメージとして、モジュラー化されたブロックをつねげてゆくイメージ。タグに描かれたアイコンをメインに、割と入門書にありがちなイメージ。3案を提出した。
「なるべくラフに作った」と言っても、少し手を入れ過ぎた感はある。しかし返答は「色が付いていないと判断が」つかないとのこと。やはりそうなのか。その中でも3案のうち2案を選んでもらったので、これを元に色付けしたラフデザイン案を制作する。

制作工程:3 ラフデザイン(色付き)

選出された2案に色を付ける他に、その2案のバリエーションを作ってみた。

色付きのラフデザイン バリエーション
色付したラフデザイン案

2案に対して、それぞれさらに2案を作る。
色を付けるにあたり、Power Appのキーカラーである紫(#742774)を全案に入れた。
私としては、時間を掛け、気に入っているポップなイメージの案が選出されると思っていたが、意外にも「普通」な案が選出された。この本のターゲットとして、ビジネスマンを対象としているため、ビジネス書としての面を出したいとの理由から。線画状態からは、大きく文字組みを替えたが、これが選ばれた。
ほとんど完成状態だが、これをさらにブラッシュアップして詰めてゆく。

制作工程:4 大扉制作

ここで引き続き作業して、カバーを完成しようと思っていたが、ちょうどゴールデンウィークが重なり、カバーよりも大扉を先に完成させる必要があった。カバーと本体の印刷は別で、製本などの工程もあるため、通常は本体の印刷が先になる。

大扉
大扉

左がノドにあたるため、今回デザイン自体はそのままで、タイトル部分のレイアウトを変更した。中心か右に寄せるかだが、動きを感じさせない、安定した印象を与える中心を選ぶ。

制作工程:5 カバー制作

選ばれたデザイン案を元に、カバーデザイン案を完成させる。

カバーデザイン

表1のイメージにある「タグ」画像を加工し、束部分の文字を組み、表4には新たな別の「タグイメージ」を制作し配置。表1で「タグイメージ」案が採用されたので、他の部分にも様々な「タグイメージ」を制作し、配置してゆくことにした。これはデザイナーの遊びで、深い意味はない。

制作工程:6 オビ制作

カバーが完成したので、カバーのドキュメント上にオビ制作用の新規レイヤーを作り、オビを制作する。カバーとレイアウトの具合を見ながら調整するためだ。

オビのデザイン
カバーとオビデザイン

オビをかぶせると、カバーは紫とスミと地色の白の3色。地味である。ビジネス書としてのカバーデザインとしては問題ない。しかしオビというのは、販促物であるため、キャッチコピーが入り、書店で手にとった人の目に入らないといけない。ある意味、オビは広告であるからだ。
そこで目立つように、オビの地色としてオレンジ気味の黄色を選んだ。ここに文字色として、紫を載せれば補色に近いので、少し目が痛い位に目立つ。ちなみに本来の紫の補色は、黄緑色または黄色。
キャッチコピーの中でも「ローコード、ノーコード」を目立つように、下線を敷いた。
また、これだけだとカバーも含め文字ばかりで、書店で目に入っても読む気にならないし、硬すぎる印象があるので、タグイメージを変形させ配置した。
オビの束部分はカバーに合わせる。
オビ表4には、本の内容が入る。実際本にオビを掛けた状態で表4を見るとここも文字だらけ。つまらないので「Chapter」文字部分の時に色を敷き、さらに単なる羅列を避けるため、右下斜めに向かい文字を配置した。そうすると左に空白が出来るため、ここにも新たな別のタグイメージを制作し配置した。
上図のようにオビを広げてみると、表1と表4に配置されたオビのタグイメージが、外側に向いていてバランスも良い。

制作工程:7 本体表紙制作

装丁作業最後の工程である、本体表紙の制作である。

本体表紙
本体表紙

カバーデザインを流用して、そのまま1色化するだけでも良いのだが、少し変化を与えようとして、本体大扉と同じにタイトルを水平方向中心に配置した。
タグイメージは入れなくても良かったが、タグのひとつを手書き風線画に加工して遊んでみた。
束部分のレイアウトはタイトルが長いせいもあり、それほど組み方にバリエーションを作る事ができないためそのままにした。
表4は再びタグイメージを入れることも考えたが、しつこいので何も入れない。
色はPower Appsのキーからである紫を全面に敷いたのだが、本来の紫(#742774)は、少し暗いので、明るい紫の特色(DIC186)を選んだ。

完成

書籍装丁イメージ画面
PowerAppsではじめるローコード開発入門 PowerFX対応

これからPower Appsで業務アプリを開発してみようと思っている人は、類書も少ないので是非本書を手にとってみて、学んでみてはどうだろうか。

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