OpenAIプログラミング本のカバーデザイン方法

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OpenAIプログラミング本のカバーとオビのデザイン方法

今やAIと言えば、ChatGPTというくらい今年になり急速に利用が広まった。そのChatGPTの開発元であるOpen AI社が提供するAPIがOpenAI APIだ。これはAI機能を独自のサービスに利用するためOpenAI APIを使いプログラミングで組み込む方法を解説した書籍である。その書籍の装丁を担当したので、そのデザイン制作過程を説明する。

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デザインの条件や内容の確認

条件
ジャンル:コンピューター・IT
判型:B5変型(182×230mm)

制作物
カバー、オビ、本体表紙(1C)、大扉(1C)

今回本文の組版は行わず受注した時点では本文は完成していないので、企画書をもらい一読する。おおよその内容をつかみアイデアを巡らせサムネイル段階へと進む。

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サムネイル制作

サムネイル
手描きのサムネイル

タイトル、条件、ジャンル、内容を検討して思いつくまま描いてゆく。この段階はアイデア出しの段階なので深く考えずにどんどん描いてゆく。サムネイルを元にこの後のラフデザイン制作へと進むわけだが、実際に文字を入れ、オブジェクトを配置してゆくとサムネイル通りにならないことが多い。この段階ではそんな細かいことは気にしない。

ただしこの段階で気にしなければならないことがある。それはジャンルと売り物であるということ。今回は「OpenAIのプログラミング本」であるので、やはり「AI」と「プログラミング」というキーワードは重要であるし、「売れる本のカバーを作る」ということも念頭に置かなければならない。デザインそのものを扱う書籍や小説などはと今回の本とはある意味正反対である。いくらデザインが格好よくても「何の本なのかわからない」、特にECサイトに書影が掲載された時に「タイトルの文字が小さくて読めない」ではダメなのである。

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ラフデザイン制作

ラフデザイン
サムネイル。オビ付き、オビなしさまざま

サムネイルを元にラフデザインを制作する。出版社や編集者にもよるが、私の場合は完成したデザインを100%とすると60~70%以上の完成度であるデザインを3パターンほど提出する。アイデアが多く出る場合は5パターン、6パターンのときもあるが、できれば3パターン程度にしておいたほうがいい。受け取る側(この場合は編集者)は、パターンが多いほど喜ぶが、4パターン以上になるとどうしても各パターンのアイデア自体が薄くなる。苦しい作業だがデザイナー側で多くのアイデアをまとめ3パターン程度にアイデアを集約させ濃くしたほうがいい。また本当はラフデザインの完成度も40%程度にしておいたほうがいい。あまり完成度を高くすると受け取った相手に固定したイメージを持たれてしまうからだ。固定したイメージを持ってしまうと、デザイナー側のイメージとズレが生じてしまい後から困ることがある。ある著名な装丁家のラフデザインを見たら、ほとんどサムネイルのような感じで手でサッとかいたようなラフデザインだった。私も以前同じようにしたら抽象的すぎて具体的なデザインが見えてこないと言われてしまい今のような60~70%以上にしたのである。このあたりは相手とよく相談して決める。

今回はOpenAI社のロゴと、OpenAIを象徴するChatGPTの公式サイトにあるグラデーションによるオブジェクトを参考にデザインをした。ただしOpenAI=ChatGPTではないのでそのままみ見えないように工夫する。

本文大扉のデザイン

本文大扉
本文大扉

ラフデザインを4案提出してその中から1案に決定。ロゴマークを入れてほしいとの要望があった。ただしChatGPTと勘違いされると困るのであくまで控え目に入れる。
ここまで修正して、カバーデザインを完成させるよりも先に本文大扉のデザインを完成させる。これはカバーやオビなどの装丁物よりも本文の方の印刷が先になるためだ。
本文はスミ1Cなので色を変換する。また左綴じなのでタイトルを小さくリサイズし少し右に寄せて本を開いたときにタイトルが見やすいようにレイアウトを修正する。

本体表紙

本体表紙
本体表紙。印刷入稿用データなのでスミ1C

本体表紙は1C。オビを紫がかった紺色にする予定なのでそれよりも少し明るい紫の特色を選ぶ。ここではじめて背の文字をレイアウトする。本体にオビは関係ないが、カバーと本体のタイトル文字は統一したい。そのためカバーに戻り、オビとカバーのかかり具合を見ながら背のタイトル文字をレイアウトする。出来上がったらそれをコピーし本体の印刷入稿用データに貼り付ける。またカバーの背景に使われている上から下にかかる線を本体用に加工する。

カバーデザイン オビデザイン

カバーとオビ
カバーとオビをレイヤーで分けて配置してデザインする

カバーのデザインが決まってからオビを作るデザイナーもいる。これも作る書籍やデザイナーによりいろいろだが、今回のようにオビのキャッチコピーが重要な場合、カバーを制作する段階でオビのことも考慮しておく必要がある。そういう訳で私の場合は、カバーとオビを同じドキュメント上でレイヤーに分けてほぼ同時に制作している。それを分離してカバーとオビの入稿データを制作する。

カバー
カバー

カバーのデザインはAIっぽい印象を与えるため黒の地に文字やオブジェクトに流行りのグラデーションを載せている。グラデーションはIllustrator上で作るのではなくより複雑なものを使いたかったためにPhotoshopで画像として制作してそれをIllustrator上でマスクをかけている。これはオビの地も同じ。グラデーション画像は数種類制作して使っている。

オビ
オビ

「Python/JavaScriptによるOpenAIプログラミング」という長いタイトルで目立たせたいのは「OpenAIプログラミング」。「Python/JavaScript」の本ではなく「OpenAIプログラミング」の本だからだ。そうなるとタイトル全体にグラデーションをかけるとタイトル全体が同一化してしまい「OpenAIプログラミング」が目立たない。そこで「OpenAIプログラミング」は白文字とした。さらにオビの地に紫系のグラデーションをかけその上に白文字をのせるとさらに目立つ。書店に並ぶときにはオビが必ずかかっているからだ。オンライン書店でも少し前まではオビを外した状態で書影を載せるのが普通だったが現在はキャッチコピーを見せるためか、オビを付けた状態で書影を載せていることが多くなった。これはこの本のような実用書に限られるようだが。

カバーとオビの表面加工はマットPPを選択。
デザインができたら編集者に文字校正をしてもらい印刷入稿用データを作成し送って今回の全作業が終了。

見本誌が届く

見本誌(カバー+オビ)

見本誌が届き封筒を開封する瞬間。いつもながら少し緊張する。結果問題なく私の意図通りのデザインとなっていて一安心。

見本誌(カバー+オビ)
見本誌(カバー)
見本誌(カバー)
本体表紙
本体表紙
本文大扉
本文
今回本文組版は受けていないが参考
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