リーフレット(パンフレット)のデザイン方法

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サービス案内用リーフレット(パンフレット)の制作依頼をいただいた。
犬のしつけやトレーニングのサービス。

実際のリーフレット制作手順を実績紹介と共に解説する。

リーフレット設置例
リーフレット設置例
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制作条件

A4判2つ折りリーフレットで、仕上がり後のサイズはA5判
用紙は、コート紙110kg

デザインのテーマは、人と犬の親和

リーフレットとパンフレットの違い

厳密には、以下のように分類されている。

  • リーフレット—–1枚の紙を折りたたんだもの
  • パンフレット—–複数の紙を綴じたもの

今回は、1枚の紙を2つ折りにしたものなので、正確にはリーフレットとなる。
しかし専門の業者でも混同していることがあるので、どちらでも話は通じる。

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素材

素材としてロゴデータ、QRコード、テキストデータは発注者から支給された。
画像はテーマに沿ったものを、こちらで選択。

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サムネール制作

今回はサムネールではなく、ワイヤーフレームのような状態で、2つの折り方を提案。

左綴じと上綴じの線画
2つの折り方

左辺に折り目を付けるか、上辺に折り目を付けるか。
今回のような利用方法の2つ折りリーフレットであれば、どちらの折りでも可能である。
ただしデザイン制作の初期段階で、折り方向を決めておかないと、レイアウトも決まらない。
ここでは左辺を折る、左綴じが選択された。

左綴じのレイアウト案
左綴じのレイアウト案
上綴じのレイアウト案
上綴じのレイアウト案

今回は2つ折りなので、全4ページ。

  • 表1(1ページ目 表面):メインとなる画像とロゴマーク。そしてサービスのメインキャッチコピー
  • 表2-3(2-3ページ目 中面):サービスの詳細
  • 表4(4ページ目 裏面):ロゴ、会社の住所・資格などの情報

以上はどのようなフォーマットでも大体同じ。これを基本としてヴァリエーションを考える。
今回は基本フォーマットで制作する。

ラフデザイン制作

今回制作するデザイン案は1案なので、ラフデザイン案も完成度8割程度のラフデザイン案を提出。
ここまで完成度を高めたデザインを、ラフデザイン案と言って良いのかは、いささか疑問だが……。

ラフデザイン案 表1-4(外面)と表2-3(内面)

犬と人との親密さを表現する画像を数十点選び、さらにその中から表1-4(外面)用に2点、表2-3(内面)用に1点をさらに選択。
ただ画像を並べて、犬と人との親密さを表すのでは、犬のしつけ・訓練所のリーフレットとしては弱い。平凡すぎる。そこで、犬と人の部分だけを円でトリミングし、さらにその円を数珠つなぎにすることで、犬と人との親密さの印象を強めた。

店頭にこのリーフレットが置かれた状態を考える。
リーフレットが目に入り手に取ってもらうよう、表1に配置された2つの円で囲まれた画像の左端を、表4側にかかるようにした。表面から見ると画像の左側一部が隠れるようになる。オブジェクトが一部隠れていると、隠れている部分が、どうなっているのか見たいと思う心理を応用したものだ。これはレコードジャケット・デザインでよく使われる手法である。
以上を考慮しながら、画像をトリミングしたオブジェクトに、動きを与えるようなレイアウトを考えた。

犬のしつけ・訓練所という、言葉だけ読むと堅固で厳しいイメージを和らげるように、以下のデザイン方針で進めた。

  • 全体は円を基本にする
  • 色は暖色系でまとめ、キーカラーはオレンジ色
  • 全体通して地色はクリーム色(Y10%)
  • キャッチ部分のフォントは、丸ゴシック系
  • 囲み罫は角丸、または円

表1のキャッチコピー犬のしつけ・訓練所東京都荒川区の2つを、その画像を囲む円に沿わせて配置。直線的に文字を配置するよりも、言葉に柔和な印象を与える。

表2-3(中面)は、サービス詳細を掲載。
大きく2つのプランに別れているので、この2つのプラン比較をしやすいように、左右のページに振り分け、等価の扱いにする。等価の扱いにするというのは、見出しのレベル、書体の扱い、色味全て同一価値にすると言うことである。
またレイアウトの基本だが、左右のページに別れていても、同一のグリッドに揃えることは必須。
そして全体を下部にまとめ、重心を下に置き安定させる。
上部の空きには見開きにわたり、1枚の背景画像を敷く。この背景画像と下のプラン説明が自然に溶け合うように、画像の下部はグラデーションにより、徐々にフェードアウトする効果を施した。

デザイン完成

ラフデザインを提出し、デザインの確認をしてもらい、テキストの修正と追加の指示があった。
表2(内面、見開き左ページ)に追加のテキストを配置。

表1-4(外面)は、実際にプリントアウトして、折を入れ、実際のリーフレットと同じダミーを作成。実物と同サイズの折を入れたダミーを作り、デザインの検討をすることは必ずやらなければならない。モニター上で見ただけでは、気が付かなかった点を多く発見することが多いからだ。

画像オブジェクトの周りが寂しい。このような場合、背景に地紋を敷くのが定番だが、うるさくなる。今回のデザイン方針とは異なるため、そうはせず画像オブジェクト回りに、小さな犬と人のイラストを配置した。寂しさの解消と共に少しの可愛らしさ、気軽にサービスの依頼が出来るような雰囲気が出た。
ついでにQRコード部分と、内面の右下空き部分に、アクセントとしてイラストを配置。
(企業情報部分や価格部分は、加工している)

最終デザインを確認してもらい、その後デザイン的な微調整を施し、トンボを付け、印刷用データとしての確認を済ませ、印刷所へ入稿した。いつでも入稿データの確認は緊張する作業である。

表1-4 デザイン(一部加工済)
表2-3 デザイン(一部加工済)

印刷物が到着

刷り上がった印刷見本が到着した。
想定通りの色が出ているか、印刷に不具合がないか、欠けている部分がないか、何年やっていても緊張する瞬間である。
ミスはないようで、一安心。

リーフレット表1
完成したリーフレット 表1

画像の左側が欠けている。
この左側はどうなっているのだろうか?」と気になり、手に取って広げてみたくならないだろうか

リーフレット 開いた状態 外面
完成したリーフレット 外面を広げた状態(一部加工済)

トリミングに使用した円が、左から右に向かって弧を描くように配置されていて、軽やかな動きを印象付ける

完成したリーフレット 表4(一部加工済)

表4側を見た場合でも、表1画像の一部が右に現れていて気になり、表1がどうなっているのか見たくなる。

リーフレット 開いた状態 中面
完成したリーフレット 中面を広げた状態(一部加工済)
完成したリーフレット
完成したリーフレット

今回リーフレット制作をご依頼いただいた企業

ドッグトレーニング ARCH(アーチ)
https: //arch-dogtraining.com/

東京都荒川区に新しくオープンした、犬のしつけ・訓練所です。
詳細は、上記WEBサイトまでお願いします。

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