特色の金や銀を印刷で使うことは多い。
特色版を作り、そのまま印刷しても問題はないが、より鮮やかに発色を良くする印刷方法を解説する。これは印刷会社に勤めている時に製版技術者に聴いた方法で、DTP以前のアナログ製版の時代から使われている方法である。
特色金・銀の下にプロセスカラーを敷く
以前、以下のようなツイートをした。
以上が全てなのだが、少しだけ詳しく説明する。
- 特色金、例えばDIC619を使う場合は、下にイエロー60%を敷く
- 特色銀、例えばDIC621を使う場合は、下にシアン30%を敷く
イエローとシアンの濃度はあくまで目安なので自分の好みに調整する。
それぞれ以下の図のようになる。
この場合、気を付けなければならないのは、上にのせる特色はオーバープリント(ノセ)にすること。ノックアウト(ヌキ)にしてはならない。もっとも通常のプロセス印刷において特色を使う場合は、別に特色版を作るだろうからこれは心配ないことなのだが。
通常上から特色をのせる場合、その下には何も色がないためノックアウトになっている。この下にY60%などの色をのせることに注意しなければならない。
また、特色版にグラデーションを掛けたり、ベタ(100%)以外の濃度を使ったりする場合は、この方法は使えない。正確に言えば使ったことがないので、どうなるか予測がつかない。下に敷くY60%にも特色版と同一のグラデーションを掛けたり、濃度を調整したりすれば使えるかもしれない。そこは誰かが人柱になってやってもらうしかない。これが結果をすぐにモニターで確認できる、WEBと異なりDTPの難しいところだ。試した人は是非結果を教えて欲しい。
特色パール、蛍光の場合
金や銀以外の特色パールや蛍光の場合はどうだろうか。
これはやったことがない。仕組みは同じだからパールや蛍光でも結果は同じだろう。
例えばパール色DIC599であれば下に敷く色はマゼンタ30%とか、蛍光DIC590であれば下に敷く色はイエロー60%とか。
いろいろ試してみれば面白いかもしれない。特に印刷会社に勤めている人であれば、いろいろ実験ができるだろう。