「Google AppSheetで作るアプリサンプルブック」の装丁とその方法

スポンサーリンク
「Google AppSheetで作るアプリサンプルブック」の装丁とその方法

昨年弊社で装丁を担当し、大好評発売中の「Google AppSheet ではじめる ノーコード開発入門」。その続編となる「Google AppSheetで作るアプリサンプルブック」の装丁を担当した。その制作工程と方法を説明する。

https://amzn.to/3uLXmmr
スポンサーリンク

仕様とデザインの方針

サイズ:B5変形(182×230mm)
束幅カバー、オビ:20.9mm
束幅本体表紙:20.4mm
色数:4色

スポンサーリンク

サムネイル制作

サムネイル
サムネイル

一応既刊「Google AppSheet ではじめる ノーコード開発入門」の続編的な内容なので、踏襲したデザインを1案として先ず考えた。GoogleAppSheetのロゴマークが、昨年は飛行機の折り紙であったのだが、最近は正三角形のような形に変わっていたので、そのロゴをモチーフにすることも念頭に置く。
その他は、類書のデザインを見ながら思いついたものを描いてゆく。この作業はいつもと同じ。アプリのサンプルを解説する内容なのでアプリ・アイコンを整然と並べる案、雑然と並べる案など、ありがちなアイデアも描く。

スポンサーリンク

ラフデザイン案作成

ラフデザイン
ラフデザイン

サムネイルを元にカバーのラフデザイン案を4点作った。ラフデザインと言ってもほぼ8~9割ほどの完成度である。この4案を提出。そして原寸でプリントアウトして壁に貼る。他の作業をしている間も目に入るので、追加でいろいろなアイデアが浮かぶ。

デザイン決定

決定したデザイン案
決定したデザイン案

カバーデザイン案が決まった。一番推していたデザイン案に決まったのでやる気も出る。Google AppSheetのロゴマークを分解して幾何学的に並べた。各要素には明るいパステルカラーのグラデーションを掛け、さらに要素が重なった部分には透明効果を掛け変化を付け現代的な処理とした。

本文大扉の制作

本文大扉の印刷データ
本文大扉の印刷データ

キービジュアルであるカバーデザインが決まれば、次は本文の大扉の制作にかかる。これは印刷・製本などデザイン以降の工程の順番によるものである。
しかし今回はカバーデザインを制作する前に本文大扉を先に制作した。これはスケジュールが詰まり、本文の印刷入稿が先に迫ったためである。実は私が他の案件との作業時間配分を間違えたためでもあるのだが……。通常本文大扉はカバーデザインをリデザイン、リサイズしたものを使用するが、特に決まっているわけでもない。この段階ではラフデザインも決まっていない状態で、アイデアは頭の中にあるだけ。打開策として、見てもらえれば分かるように「Google AppSheet ではじめる ノーコード開発入門」のデザインを踏襲し、少しアレンジを加え、本文の色数に合わせ1色で制作した。

本体表紙の制作

本体表紙の印刷データ
本体表紙の印刷データ

ここからは通常の制作順で、本体表紙はカバーデザイン決定後に制作した。カバーは複雑な幾何学模様にグラデーションが掛かり、1色である本体表紙には不向きと考え、シンプルに書籍タイトル、著者名、出版社ロゴにGoogle AppSheetのロゴマークを配置した。Google AppSheetのロゴマークは正三角形であり、その1辺に合わせるようにタイトルとロゴを60°の角度に揃えた。
色はDIC182に指定。上の画像ではだが、もちろん実際はスミ1色に変換し印刷入稿した。

カバーの制作

カバーとオビをレイヤーで分けて制作
カバーとオビをレイヤーで分けて制作

カバーにオビの掛かる具合を見ながら制作する。そのためカバーを作る時には、オビも一緒に作る。今回はカバーの上にオビが透過した状態で載っているようなイメージで作った。オビのメインキャッチコピーも右下60°の角度で揃える。ラフデザインの時よりも、幾何学模様のオブジェクトのパステルカラーをやや鮮やかにした。
オビ表4に配置する本書目次の章見出しには、やはり60°の角度を付けた下線をつける。
書籍のオビ・デザインは、デザイナーが担当していないせいなのか、ただ文字を置いただけのレイアウトが多い。私の場合オビを付けた状態が完全な状態なので手を抜かない。あくまでオビは商品ではなく、広告扱いの付属品だからなのかもしれない。
書籍やCDのオビについては以前書いたことがあるので以下を参照。

そしてカバーとオビのデザインが決まったら、カバーとオビの印刷用データを作成し入稿。表面加工はマットPP(つや消し)。鮮やかに見せるにはグロスPP(光沢)が良いのだが、どうしても書籍の内容から安っぽく見えるのは避けたいのでマットPPを選択した。
お疲れ様でした。

カバーの印刷データ
カバーの印刷データ
オビの印刷データ
オビの印刷データ

見本誌が届く

見本誌が届いた。問題なく印刷ができたので一安心。カバーのパステルカラーはもう少し淡くしても良かったかもしれない。

表1:カバー+オビ
表1:カバー+オビ
表4:カバー+オビ
表4:カバー+オビ
表1:カバー
表4:カバー
表4:カバー
表1:本体表紙
表1:本体表紙
表4:本体表紙
表4:本体表紙
本文大扉
本文大扉

おまけ:素晴らしい日本の印刷、製本技術

ピッタリと揃ったカバーとオビの柄!
ピッタリと揃ったカバーとオビの柄!

今回のようにカバーとオビに同じ柄を使用した場合、ピッタリと位置が揃っている。日本の印刷、製本技術は素晴らしい。ずれていてもコンマ数ミリの単位。よく見ないと分からない程度。普段当たり前過ぎて忘れているが、海外の書籍を見ると大体ずれている。トンボが1つと2重の違いは大きい。

https://amzn.to/3VWX48b
タイトルとURLをコピーしました