ほぼ2年前2021年10月に量販店にてソフトバンクの新トクするサポートを使い、iPhone 13 Pro 256GBを購入した。それまで新品で購入したiPhone 7 Plusを長く使っていたので、操作の軽さに驚き、指紋認証に比べFaceIDの使いにくさなどいろいろありながらも、気に入って使っていたのだが…
謎のメッセージ “モバイル通信の問題が検出されました”
そして2023年5月に事件は起きる。ある朝目覚めiPhone 13 Proの画面を見ると「モバイル通信の問題が検出されました」とメッセージが表示されている。初めて見るメッセージに困惑し画面をよく見ると5Gのアンテナ表示がなくSIMなしの表示。もちろんSIMカードは差してある。試しに電話をかけようとしてもつながらない。ただしWi-Fiはつながっているのでアプリの使用はできるし、その他の機能に問題はない。ようするに5G、4Gのモバイル通信ができないのでWi-Fi環境がない屋外で使用できない状態になった。
修理代 83,000円!
iOSの再起動、iOSの電源を一度落として10分後起動、SIMカードを取り出し接点を清掃して再度挿入、設定→モバイル通信→モバイルデータ通信をOFF→ONなど、このようなトラブル時にできることは一通り試したが状況は変わらず。
仕方がないのでAppleサポートにチャットで相談。状況を話し、遠隔診断してもらった結果「モバイル通信用のハードウェアが壊れているので修理が必要」とのこと。修理代は83,000円!(うろ覚えだが)。
iOSのアップデート後や再起動後に同じ症状が出る機種があるらしく、Appleの公式サイトにそのFAQが載っている。
しかし今回はアップデートも再起動もしていない状態で、何の前触れなくモバイル通信ができなくなった。AppleサポートにiOSの初期化をしても改善しないのか聴いたが、ハードウェアの損傷なのでその可能性は低いとのこと。しかしこの状態では使えないし、あと半年もせず新機種が発表されるのに83,000円も修理代を払うのも嫌なので、万が一の期待を込めてiOSを初期化することにした。
iOSをリカバリーモードで初期化してみる
モバイル通信以外は普通に使用できるので、初期化の前にiTunesにつなぎPCにバックアップを保存する。バックアップ自体は問題なく終了。PCはWindows 11 Pro。WindowsもiTunesも最新バージョンにしておく。Lightningケーブルは念のため新品を購入。これは以前iTunesを通してiOSのアップデートを行った際にそれまで問題なく普通に使っていたLightningケーブルが途中で断線しデータ転送がうまく行かず、その結果アップデートが失敗しiPhoneを初期化することになったからだ。
そしてリカバリーモードに入り初期化をする。しかしiPhoneとiTunesの画面の進捗バーが80%ほど進むとそこでフリーズ。何度か試すが進捗度こそ微妙に異なるがフリーズを繰り返す。完了しないのでLightningケーブルを差すUSBポートを換えたが変わらず、最後にはバックアップからの復元はあきらめ、PCからiTunesを完全に消去してから再インストールして、リカバリー・モードを再度試すが状況は変わらずフリーズを繰り返す。最後には「iTunesとiPhoneを接続してください」のメッセージ画面しか表示されなくなり、WEB検索しても同様の症状は見つからず完全にお手上げ。うちのPCがダメなのかと思い、知人のPCでリカバリーを試みたらリカバリー自体は完了するが、他人のPCからなので「iPhoneは所有者にロックされています」のメッセージが表示されこれ以上は進めず。iPhoneを第三者が初期化しようとすることを防ぐためだ。
それならとPCのブラウザーからiCloudへアクセスし、Apple IDからiPhone 13 Proの登録を削除する。その後再びリカバリーを試みるがやはりだめ、アクティベーションできない。ある意味拾ったまたは盗んだiPhoneを第三者がアクティベートできない強固なセキュリティに感心するのだが。
新トクするサポートの特典を受けるために最悪モバイル通信ができなくても、とりあえず通常通りにiOSが稼働し、モバイル通信以外は使用できるようにはしたかったので、その後も何度もリカバリーを試したが万策尽きた。この状態では多分新トクするサポート適用時に22,000円を支払わなくてならない。まあいずれにせよ払わないといけないのだが、通常の画面が表示されないのは気持ちが悪いので、要するに最低限「モバイル通信の問題が検出されました」とメッセージが表示されていた状態まで戻したかった。あきらめて1年半ぶりにiPhone 7 Plusを起動し、バッテリーが消耗していたので交換して使用した。銀行系の登録移行が大変だった。これが6月中旬の話し。
再びリカバリーモードを試してみる
2023年9月初め「新トクするサポート」の利用可能な特典受付日が近づいてきたとのメールが届く。机の隅でうっすらほこりをかぶったiPhone 13 Proを手に持ち、もしかして直るかもと思い以前とまったく同じ環境でリカバリーを試みる。「iOSのアップデートがありそれをインストールすると修復できることがある」ようなメッセージがiTunes上に表示されるのだが、これは以前と同じ。リカバリーは以前と同じ80%ほど進むとそこでフリーズしたような状態になる。そのまま1時間ほど放置して再び画面を見たら無事に初期化されている! 画面表示は新品のiPhoneを買ったときと同じ、初期設定の国や言語の選択をする画面が表示されていた。かなりうれしい。
Bluetooth経由でiPhoneのクローンを作成できるようになっていた
その後iPhoneの初期設定を行ってゆくのだが、いつもと違うのはこのあと自動的に近くあったiPhone 7 Plusを検出しBluetooth経由でデータを転送できるとのメッセージ。こんなの初めて見た。少なくともiPhone 7 Plusから13 Proへ機種変する時にはなかった。以前からiCloudに保存したデータはコピーできたが、音楽ファイルは転送できなかったので再びCDからリッピングしてコピーしなければならないという最大級に面倒な作業が必要だったのだがそれがなくなった。これはかなり楽。ただ銀行や金融関連アプリ自体はコピーされるが再アクティベートは手動で作業をしないといけない。100GB超で2時間ほどかかった。
iPhone 13 Proに7 Plusと完全なクローンができたあと「iPhone 7 Plusのデータを完全に消去して下取りに出せる状態にしますか?」と表示されるが「いいえ」を選択すると両方のiPhoneのデータはそのままになる。かなり便利になったが、iOSのどのバージョンからこのシステムになったのだろうか。
音楽ファイルはiPhone 7 Plusから完全にコピーされたのだが、その後同じiTunesを通し新たな音楽ファイルをiPhone 13 Proに追加したら、iPhone 7 Plusからコピーされた音楽ファイルはすべて消えた! 著作権関係だろう。残念。このコピー作業のときにiPhone 7 Plusを下取りに出すための初期化モードを選択すれば音楽ファイルはそのままiPhone 13 Pro上に残っていたものと思われる。その場合当然iPhone 7 Plusは初期化されるので音楽ファイルも消える。今回は初期化モードではないので、iPhone 7 Plusの音楽ファイルは以前のまま残っている。
これからiPhoneを機種変しこの機能を使う場合は注意。
(2023年9月21日追記)
何が故障の原因だったのか
なぜ直ったのかは詳しく検証していないので分からない。ただモバイル部分のハードウエアの故障ではなく、iOSの不具合だった可能性は高い。放置していた間のiOSアップデートに該当部分のバグフィックスが含まれていてそれが反映されたのかもしれない。または確率は低いが実際ハードウエアが故障していたのだが、どこかのタイミングで衝撃を与えたことなどが偶然修復となったかもしれない。故障した電化製品を思いっきりたたいたら直ったみたいな。現在3日たったが問題なく使用している。
これであとは来月から始まる新トクするサポートの下取りに申し込むだけだ。もうキャリアから買うのは懲り懲りなのでAppleストアから直接分割でiPhone 15 Pro 256GBの購入を予定している。