Webデザイナーはイラレを使えないとダメなのか

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WebデザイナーとIllustrator

Webデザイナーを名乗る人は、HTMLとCSSときどきJavaScriptを習得。そしてWebサイト一式の構築方法を学ぶ。その中にPhotoshopとIllustratorの操作方法も含まれているのだろうと私は勝手に考えていた。しかしSNSの投稿を見ているとどうやらIllustratorを使ったことがない、または使わないWebデザイナーが多く存在するようなのだ。この中には学習はしたが苦手なので使わないという人も含まれる。現場からの声としてはデザインをするのであればIllustratorは使えないとダメ。あとから困る。

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WebデザインにIllustratorは必要ないのか

先日以下のような投稿をSNSにした。

Threadsで見る

コメントには「“Webデザイナー”と“グラフィックデザイナー”は別なのだから“Webデザイナー”はIllustratorを使えなくても構わない」という意見をもらった。“グラフィックデザイナー”はここでは“紙媒体のデザインまたはロゴを制作するデザイナー(≒DTPデザイナー)”とする。しかしWebデザインの学校ではPhotoshopと共にIllustratorの操作を学ぶカリキュラムも組まれているのではないだろうか。

現実的な実作業を考えてみる。Webサイトのデザイン制作を行う場合、コーポレートサイトであれば会社のロゴマークがある、サービスサイトでもサービスのロゴがある。またイラストが使われていればIllustratorで作られていることがある。これらはもちろん元のデータがPNGやJPEGの形式で支給されることもあるだろう。しかし元のロゴやイラストがIllustratorで描かれているのならai形式のまま支給してもらい、それをデザイナー側で加工しSVG形式に書き出してWebサイトに利用する方が扱いやすいし現実的だろう。さまざまなデバイスで閲覧することが前提の現代Webデザインでは、ファイル容量が軽量でありベクター画像は解像度を気にしないで済むからである。

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Webでもベクター画像の作成・加工は必要

Illustratorはベクター画像を描いたり操作したりするアプリケーションである。代替えアプリにはAffinity Designerや、操作を簡易的にしたCanvaもある。両者共にベクター画像を扱える。最近はCanvaでベクター画像を扱っているデザイナーもいるとのことだが、ここではIllustratorとAffinity Designer、Canvasのアプリとして優劣などは主旨とは外れるのでここでは省く。ちなみにAffinityシリーズについてはプロのツールとして以前レビューを書いたので以下を参照。


Illustratorをなぜ使わないのかという一つの答えがFigmaを使ってWebデザイン制作を行っているから必要ないという意見だった。Webデザイン制作アプリでFigmaという選択は間違えていはいない。むしろWebデザインのカンプを作る場合はIllustratorやPhotohsopではなくFimgaに1本化するべきだろう。

確かにFigmaはベクター画像もラスター画像も扱える。しかしそれは簡易的なものであって複雑な操作はできない。以前スマートフォンアプリのUIデザインを担当した時にFigmaを使った。アイコンや簡単なオブジェクトの作成が必要なのでIllustratorの利用も考えたが、結果アイコンはそれほど複雑なものではなかったのでIllustratorの出番はなくFigmaだけで収まった例がある。このような案件が続けば「アイコンなどのベクター画像が出てきたらFigmaで加工すれば問題ないだろう」という意見が出てきても不思議ではない。しかし将来Figmaで加工ができるようなアイコンばかり制作するとは限らない。むしろ「Illustratorを使わずFigmaで完結したのはラッキーだった」くらいに考えておいたほうがいいだろう。Webサイト制作の依頼がありお客さんからai形式でのイラストやロゴデータが支給され、加工しなければならない時になって「Illustratorが使えない」では話にならないからだ。

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この2つのアプリの操作は他でも同じ

点と線で画像を生成しているベクター画像
ドット(点)の集合体で画像を生成しているラスター画像
デザインで扱う画像はこの2つ。この分野で最も知名度が高くシェアが高いのはIllustratorでありPhotoshopである。そしてデザイン制作で扱うアプリはこの2つの操作ができればあとは勘で大まかな操作はできる。FigmaやAdobe XDなどは当然使えるしInDesignも使える。AffintyシリーズやCanvaも使える。全く使い方が違うということはまずない。要するにデザイン業を営むのであればIllustratorとPhotoshop、この2つのアプリは習得しておいた方が良い点でもある。

まとめ:IllustratorはWebデザインに必須

IllustratorはWebデザインを行う際には必須のアプリである。デザイナーの制作環境によってはAffinity DesignerやCanvaでも良いだろう。Illustratorが使えないから、苦手だからと良いアイデアがあってもベクター画像を避けるようなデザインをすることこそ本末転倒なのである。

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