戦争に興味がわくようになる戦争映画3本

真珠湾攻撃(海軍歴史センター/Wikimedia Commons)
真珠湾攻撃(海軍歴史センター/Wikimedia Commons)

戦争に興味がない人は戦争映画を観よう

戦後75年。年々、第二次世界大戦に関するテレビ番組は少なくなっています。
戦後、世界の政治問題、経済問題の多くは第二次世界大戦が発端となり、未だそれを引きずり、特に日本のような敗戦国にとっては大きな問題となっています。当然現在の政治問題、経済問題を理解するには第二次世界大戦の事を知る必要があります。最低限日本に関する事は。
何故、日本はアメリカと戦争したのか。
日本はどこの国と戦争したのか。
一夜にして突然軍国主義国家になっていたわけではなく、そもそも国民が同意の上で軍国主義に進んで行った事を忘れてはいけません。それがマスコミの煽りによるものでも。
そうは言っても私達戦後数十年経ってから生まれた世代にとっては、歴史の教科書に載るような話であり現実感がなく、暗い戦争映画や戦争に関するドキュメント番組に興味がある人は少ないでしょう。

昔から「戦争は大事な人が失われので悲しい」「戦争は人の人生を破壊する」など個人の不幸や情緒に訴えるような映画、テレビドラマ、ドキュメンタリー番組は多く、それはそれで作品として戦争の悲惨さを訴える意味はあると思いますが、そのような作品ばかり観ていても戦争はなくなりません。「何故戦争になったのか」から知る必要があります。戦争にならないように、誤った時代を繰り返してはいけないのです。
そこで、興味はあり第二次世界大戦の事は知りたいけれど、いまひとつ食指が動かない人には映画から入る事をお勧めします。どれも名作でBlu-rayやDVDなどのソフトも手に入りやすく、テレビでも何度も放送されている作品です。

日本のいちばん長い日(1967年)

1945年8月14日から15日の玉音放送に至るまでに発生した、宮城事件の24時間の事実を元にしたドキュメンタリー映画。「東宝8・15シリーズ」第1作。
二・二六事件、五・一五事件などはよくテレビでも扱われますが、皇居を占拠し陸軍の一部がクーデターを起こした事を知らない人もいるのではないでしょうか。終戦先日からの24時間が中心ですが、終戦に至るまでの陸軍、海軍の衝突。何故広島に原爆が落とされるまで、ポツダム宣言による無条件降伏を受け入れなかったのか、現在では理解し難い国体護持とは何なのかなどがよく分かる構成になっています。
2015年にリメイクされましたが、この岡本喜八監督の1967年版が圧倒的な迫力です。
当時としてもトップクラスの俳優陣による演技も素晴らしいのですが、なんと言っても岡本喜八のテンポが良く、終始緊張感漂う演出が秀逸です。エンターテイメントとして魅せてくれます。戦争をエンターテイメントなんかにするなと怒られそうですが、この映画を発端に戦争に興味を持つ人も多いでしょう。
岡本喜八監督自体は左派ですが、特に反戦を強烈に描く事もなく、情緒に訴えるわけでもなく、ひたすら事実をそのまま冷静に描いているのが良い。むしろ最後には阿南陸軍大臣(三船敏郎)が自決する場面において、雨戸の隙間から差し込む朝日に照らされる姿が、美しく描かれている印象すらあります。
また笠智衆演ずる内閣総理大臣・鈴木貫太郎が、そのままなのではないかと思うほどはまり役です。
すでに50年以上前の映画なので、その後明らかにされた事実との齟齬はありますが、本質の部分は変わっていません。

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激動の昭和史 沖縄決戦(1971年)

「東宝8・15シリーズ」の第5作。
「日本のいちばん長い日」と同じ、岡本喜八監督作品。
唯一の地上戦となった沖縄戦を描いた作品。
こちらも「日本のいちばん長い日」と同様、事実を元にしたドキュメンタリー映画。
爆弾で身体がバラバラになる演出などはリアル感を出していて恐怖心を煽る。かと言ってこの映画も情緒的な部分は少なく常に冷静。
こちらも戦後50年以上経ち、その後判明した事実と異なる部分はあるが本質的な部分は変わらない。「東宝8・15シリーズ」は全6作あるが、この岡本喜八2作品が飛び抜けて良い。

ちなみに岡本喜八監督のこれら2作。庵野秀幸も好きな映画として挙げていて、二人の対談がテレビ放送された。

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トラ・トラ・トラ!(1970年)

アメリカ映画ですが、日本との合同のキャストとスタッフであり、対アメリカ戦の発端となった真珠湾攻撃のドキュメンタリー映画です。
今でもアメリカでは「真珠湾攻撃は宣戦布告なしの卑怯な攻撃」であるとの認識が一般的ですが、実は日本から事前通告はしたが、アメリカ軍に連絡がうまく伝わらなかったという部分をアメリカ視点で時間経過と共に丁寧に追っています。
一番の見所は最後30分、真珠湾に配備されている戦闘機や格納庫、軍艦がひたすら攻撃され、破壊される続ける場面です。当時CGなどはなく、実際に練習機などを使用し爆破されたようですが、人がかなり近くにいて逃げ回っているのですが、実際にけが人が出たらしいと聴きます。それほどリアルです。
この映画がアメリカにとって不利に描かれているという理由で、後年「ミッドウェイ」(1976年)という映画がアメリカで作られますが、「トラ・トラ・トラ!」からの爆破特撮シーンが多く流用されています。

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番外編「ザ・パシフィック」(2010年)

ガダルカナル、ペリリューから硫黄島、沖縄に至るまでの太平洋戦争の事実を元にしたアメリカの連続ドラマ。全10話。
アメリカ視点で対日本戦をドキュメンタリー的に描いた作品は案外少ないのです。このドラマには特に主人公というものはなく、敵である日本兵は出演していますが、日本人視点が一切ないのが特徴です。無防備で突撃してくる日本兵を不気味に思うアメリカ兵の心中や、亡くなった日本兵の荷物や金歯まで略奪するリアルな場面まであります。
顔面を破壊し、金歯を取り去る冷血なアメリカ兵役にはあのボヘミアン・ラプソディ(2018年)でフレディー・マーキュリーを演じたラミ・マレックです。

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一人一人が知識を持てば

ドキュメンタリーと言っても映画なので、演出は入りますし、映画で描かれている天皇や当事者の本当の心の中までは誰にも分かりません。しかしこれらの映画を切っ掛けにして、第二次世界大戦に興味を持ち、本を読んだり、ドキュメンタリー番組を観たり、各資料館などを訪ねたりして、一人一人が知識を深めてゆけば、本当の意味で戦争や国家間の紛争が少しは回避できるのではないかと期待しています。
もしお勧めの映画やドラマがありましたら是非TwitterやFacebookなどで教えて下さい。

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